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お風呂リフォーム費用相場|マンション浴室・ユニットバス

「お風呂の汚れやカビが気になる」「冬場は寒くてつらい」「もっと掃除が楽なお風呂にしたい」毎日使う場所だからこそ、お風呂に関する悩みは尽きないものですよね。特に、築15年以上経つと、設備の老朽化も進み、リフォームを考え始める方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざお風呂のリフォームを検討し始めると、「費用は一体いくらかかるの?」「どんな種類があるの?」「マンションでも問題なく工事できる?」など、次々と疑問が湧いてくるものです。
この記事では、お風呂リフォームが初めてという方に向けて、以下の内容を専門家の視点から分かりやすく解説します。

  • 価格帯別の費用相場と内訳
  • 主要メーカーのユニットバスの特徴と比較
  • マンションリフォームの成功事例と注意点
  • リフォーム完了までの流れと期間
  • 費用を抑えるための補助金情報

この記事を読めば、お風呂リフォームの全体像が掴め、あなたの理想のバスルームを実現するための第一歩を踏み出せるはずです。

お風呂リフォームの費用相場

お風呂リフォームの費用は、工事内容や選ぶユニットバスのグレードによって大きく変動しますが、一般的な相場は80万円~150万円です。これは、既存のユニットバスを新しいユニットバスに交換する場合の目安となります。
戸建てとマンションで費用に大きな差はありませんが、マンションの場合は管理規約による制約や搬入経路の問題で、追加費用がかかる可能性も考慮しておきましょう。

【価格帯別】実現できるリフォーム内容

予算によって、リフォームで実現できる内容は大きく変わります。ここでは価格帯別にどのような工事が可能かを見ていきましょう。

60万円~90万円:基本的なユニットバス交換

この価格帯では、普及価格帯(ベーシックグレード)のユニットバスへの交換が中心となります。 機能はシンプルですが、新しいお風呂になるだけで、掃除のしやすさや見た目の清潔感は格段に向上します。最低限の機能で、とにかく新しくしたいという方におすすめのプランです。

90万円~130万円:機能性の高いユニットバスへ

リフォームで最も選ばれている価格帯です。ミドルグレードのユニットバスが選択肢に入り、保温効果の高い浴槽や掃除しやすい床材、節水シャワーなど、快適性を高める人気の機能をプラスできます。デザインの選択肢も広がり、満足度の高いリフォームが実現可能です。

130万円以上:デザインや素材にこだわる浴室

ハイグレードのユニットバスを選び、デザインや素材にこだわった上質な空間を実現できます。 肩湯や打たせ湯といったリラックス機能、調光機能付きの照明、高級感のある壁パネルなど、まるでホテルのようなバスルームにすることも可能です。浴室暖房乾燥機の設置や、窓・ドアの交換など、浴室全体をトータルでリフォームするケースもこの価格帯になります。

費用内訳(本体価格・工事費・諸経費)

リフォームの見積もりは、主に以下の3つの項目で構成されています。内容を理解しておくことで、見積もりが適正かどうかを判断しやすくなります。

  • ユニットバス本体価格
    ユニットバスそのものの価格です。同じメーカーの製品でも、グレードやオプションによって価格は大きく変動します。全体の費用の約4~6割を占めることが多いです。
  • 基本工事費
    既存の浴室の解体・撤去、新しいユニットバスの組み立て・設置、給排水管や電気の配線工事などが含まれます。
  • 諸経費
    廃材の処分費、資材の運搬費、現場の養生費、リフォーム会社の経費などです。見積もりでは「雑費」や「諸経費」として一括で記載されることもあります。

追加費用が発生するケース

見積もり金額以外に、工事の途中で追加費用が発生することがあります。特に注意したいのは以下のようなケースです。

  • 在来工法からユニットバスへの変更
    壁や床をタイルなどで仕上げる在来工法の浴室からユニットバスへリフォームする場合、解体や下地処理、防水工事に手間がかかるため、費用が高くなる傾向があります。
  • 土台や柱の腐食
    浴室を解体した際に、水漏れが原因で土台や柱が腐食していることがあります。その場合、修繕のための追加工事が必要です。
  • アスベストの含有
    2006年以前に建てられた建物の場合、解体する建材にアスベストが含まれている可能性があります。除去作業には専門の知識と技術が必要なため、別途費用が発生します。
  • 給湯器の交換
    古い給湯器をそのまま使うと、新しいユニットバスの機能に適合しない場合があります。その際は給湯器の交換も必要になります。

リフォーム費用を安く抑える方法

少しでも費用を抑えて、賢くリフォームを実現したいですよね。以下のポイントを意識してみましょう。

  • 複数のリフォーム会社から相見積もりを取る
    費用を抑える上で最も効果的な方法
    です。同じ工事内容でも会社によって見積もり金額は異なります。最低3社から見積もりを取り、内容を比較検討しましょう。
  • ユニットバスのグレードやオプションを見直す
    本当に必要な機能かどうかを冷静に判断し、不要なオプションは削ることでコストダウンが可能です。ショールームの展示品はハイグレードなものが多いため、惑わされないようにしましょう。
  • 補助金や助成金を活用する
    国や自治体が実施しているリフォーム支援制度を利用できる場合があります。バリアフリー改修や省エネ性能の向上などが対象になることが多いです。
  • リフォーム会社のキャンペーンを利用する
    特定のメーカーの製品を割引価格で提供するキャンペーンなどを利用するのも一つの手です。

ユニットバスの種類と選び方

現在のお風呂リフォームの主流は、工場で製造されたパーツを現場で組み立てる「ユニットバス」です。ここでは、主要なメーカーの特徴と、マンションならではの選び方のポイントを解説します。

主要メーカー4社の特徴比較

国内の主要な住宅設備メーカー4社は、それぞれに強みがあります。あなたの希望に合うメーカーを見つけてみましょう。

クリナップ:浴室まるごと保温構造

壁・天井・床の裏側まで断熱材で覆っており、「30分後でも浴室内が20℃以上をキープ」できるという実証データがあります。

  • 高断熱浴槽
    クリナップ独自の「高断熱浴槽」は、浴槽全体をしっかり保温。4時間経ってもお湯の温度変化はわずか2.5℃以内と、抜群の保温性能を誇ります。
  • 足ピタフロア
    溝を浅くし、足裏との接触面積を広げて滑りにくく、水切れが良く乾きやすい設計。高齢の方や子どもがいる家庭に安心安全です。

(参考:クリナップ株式会社 https://cleanup.jp/bath/

TOTO:清潔機能と使いやすさ

トイレで有名なTOTOは、浴室でもその清潔技術を存分に発揮しています。

  • きれい除菌水
    ボタン一つで床や排水口に吹きかけ、カビやぬめりの発生を抑えます。
  • ほっカラリ床
    畳のような柔らかい踏み心地で、断熱性が高くヒヤッとしません。水はけも良く、乾きやすいのが特徴です。

(参考:TOTO株式会社 https://jp.toto.com/

LIXIL:デザイン性とリラックス機能

LIXILは、デザイン性の高い製品と、リラックスを追求した機能が魅力です。

  • スパージュ
    「肩湯」や「打たせ湯」など、自宅でスパのような体験ができる最上位シリーズが人気です。
  • 豊富なデザイン
    壁パネルや浴槽のカラーバリエーションが豊富で、自分好みの空間を演出しやすいのが特徴です。

(参考:株式会社LIXIL https://www.lixil.co.jp/

タカラスタンダード:高品位ホーローの耐久性

タカラスタンダードの最大の特徴は、鉄の強さとガラスの美しさを併せ持つ「高品位ホーロー」です。

  • 圧倒的な清掃性
    表面がガラス質なので、汚れが染み込まず、水拭きで簡単にキレイになります。カビにも強く、清潔な状態を長く保てます。
  • マグネットが使える
    壁のどこにでもマグネットが付くため、シャンプーラックやタオル掛けなどを好きな位置に自由に設置できます。
  • 優れた耐久性
    傷や衝撃に強く、熱にも強いため、長年使っても美しさが損なわれません。

(参考:タカラスタンダード株式会社 https://www.takara-standard.co.jp/

マンション向けユニットバスの選び方

マンションの浴室リフォームでは、戸建てとは異なる注意が必要です。以下のポイントを押さえておきましょう。

  • サイズの確認が最重要
    マンション用のユニットバスは、戸建て用よりもサイズ展開が細かく設定されています。天井の梁(はり)や柱の位置によって設置できるサイズが決まるため、リフォーム会社による正確な採寸が不可欠です。
  • 搬入経路の確認
    エレベーターや廊下、玄関ドアを通って、ユニットバスの部材を搬入できるかを確認する必要があります。場合によっては、小さいサイズの製品しか選べないこともあります。
  • 管理規約の確認
    リフォーム工事に関するルールが管理規約で定められています。工事可能な時間帯や、床材の遮音性能などを事前に必ず確認しましょう。

人気の機能(保温浴槽・節水・清掃性)

最近のユニットバスには、暮らしを快適にする便利な機能がたくさんあります。特に人気の高い機能を3つご紹介します。

  • 高断熱浴槽(保温浴槽)
    浴槽と蓋の両方に断熱材を使用し、お湯が冷めにくい構造になっています。4時間で温度低下が2.5℃程度と、追い焚きの回数が減るため、光熱費の節約に繋がります。
  • 節水シャワー
    少ない水量でも勢いのある浴び心地を実現するシャワーヘッドです。手元のボタンで一時止水できるタイプもあり、水道代とガス代の両方を節約できます。
  • 清掃性の高い床・排水口
    水はけの良い溝や特殊な表面加工が施された床、髪の毛がまとまりやすく捨てやすい排水口など、日々の掃除の手間を大幅に軽減してくれる機能は、共働き世帯を中心に非常に人気があります。

マンションのお風呂リフォーム事例

ここでは、マンションのお風呂リフォーム事例を、費用別・課題解決別にご紹介します。あなたの理想のリフォームをイメージする参考にしてください。

【費用別】ビフォーアフター事例集

【100万円】築20年マンション|基本的なユニットバス交換で明るく清潔に
  • Before: タイルが古く、カビや汚れが目立つ。冬場は寒く、掃除も大変だった。
  • After: ベーシックなユニットバスに交換。壁パネルを明るい色にしたことで、浴室全体が広く明るい印象に。床も水はけの良い素材になり、掃除が格段に楽になった。
【140万円】築15年マンション|高機能バスでヒートショック対策と家事ラクを実現
  • Before: 設備が古く、機能性に不満。追い焚きが多くガス代も気になっていた。
  • After: ミドルグレードのユニットバスを採用。高断熱浴槽で光熱費を削減し、浴室暖房乾燥機を設置してヒートショックの不安を解消。壁にはマグネットが付くホーローパネルを選び、収納を自由にカスタマイズできるようにした。

【課題解決】リフォーム事例集

寒い・暗い浴室を快適な空間に

古いマンションに多い「寒い・暗い」というお悩みを解決した事例です。浴室暖房乾燥機を新設し、冬場の一番風呂も快適に入れるようになりました。また、断熱材を壁や天井に追加し、浴室全体の保温性をアップ。照明をLEDのダウンライトに変更し、壁パネルを光沢のある白にすることで、明るく開放的な空間へと生まれ変わりました。

掃除が大変な浴室を清潔な空間に

カビや水垢の掃除に悩んでいた事例です。 壁を防カビ仕様のパネルに、床を水はけが良く乾きやすい素材に変更。カウンターは取り外し可能なタイプを選び、裏側までしっかり洗えるようにしました。排水口も髪の毛がまとまりやすい構造のものを選んだことで、日々の掃除時間が大幅に短縮されました。

狭い浴室を広く見せる工夫

限られたスペースを有効活用し、広く感じさせる工夫を取り入れた事例です。浴槽の形状を、洗い場側に少し張り出したタイプにすることで、ゆったりと足を伸ばせるようになりました。また、壁一面に横長のワイドミラーを設置することで、空間に奥行きが生まれ、視覚的に広く感じられる効果を狙いました。収納は壁埋め込みタイプですっきりとさせ、洗い場スペースを確保しました。

リフォーム完了までの流れと工期

リフォームを考え始めてから、実際に工事が完了するまでの一般的な流れと期間を知っておきましょう。

ステップ1:情報収集と業者探し

まずはインターネットやカタログで情報を集め、どんなお風呂にしたいかイメージを固めます。同時に、リフォームを依頼する会社の候補をいくつか探しましょう。一括見積もりサイトを利用するのも効率的です。

ステップ2:現地調査と見積もり依頼

気になるリフォーム会社に連絡し、自宅に来てもらって現地調査を依頼します。浴室のサイズや状況を確認してもらった上で、要望を伝え、詳細な見積もりを作成してもらいます。必ず複数の会社に依頼して比較検討しましょう。

ステップ3:契約とショールーム確認

見積もり内容やプラン、担当者の対応などを比較し、依頼する会社を1社に絞り込みます。契約内容を十分に確認してから契約を結びましょう。契約後、メーカーのショールームで浴槽や壁パネルの色、素材などを実物で確認すると、イメージとのズレを防げます。

ステップ4:着工から引き渡しまでの期間

工事が始まると、既存の浴室の解体から新しいユニットバスの設置までが行われます。ユニットバスからユニットバスへの交換の場合、工事期間は3日~5日程度が一般的です。工事中は自宅のお風呂が使えないため、近隣の銭湯などを事前に調べておくと安心です。全ての工事が完了したら、リフォーム会社の担当者と一緒に仕上がりを確認し、問題がなければ引き渡しとなります。

マンションリフォームの注意点

マンションのお風呂リフォームを成功させるためには、戸建てにはない特有の注意点を押さえておくことが非常に重要です。

管理規約と専有部分の範囲確認

マンションリフォームで最も重要なのが、管理規約の確認です。 管理規約には、工事ができる曜日や時間帯、使用できる床材の遮音等級、資材搬入のルールなどが定められています。リフォームで工事できるのは、自分自身が所有する「専有部分」のみです。どこまでが専有部分なのかを規約でしっかり確認しましょう。

搬入経路の確保と近隣への挨拶

ユニットバスの大きな部材を部屋まで運ぶための搬入経路(エレベーター、廊下、玄関など)の確認は必須です。工事中は騒音や人の出入りで近隣に迷惑をかける可能性があるため、工事が始まる前に、両隣と上下階の部屋へ挨拶回りをしておくのがマナーです。

優良なリフォーム会社を見極めるポイント

安心して任せられるリフォーム会社を選ぶために、以下の点をチェックしましょう。

  • 建設業許可やリフォーム関連の資格を持っているか
  • マンションリフォームの実績が豊富か
  • リフォーム瑕疵(かし)保険に加入しているか
  • 見積書の内訳が詳細で分かりやすいか
  • 担当者の説明が丁寧で、質問に誠実に答えてくれるか

在来工法からユニットバスへの変更可否

古いマンションでは、タイル張りの在来工法の浴室も少なくありません。在来工法からユニットバスへのリフォームは可能ですが、床下のスペースが足りず、設置できないケースもあります。また、防水工事が大掛かりになるなど、費用や工期が通常よりかかることを念頭に置いておきましょう。

活用できる補助金・助成金制度

お風呂リフォームでは、国や自治体の補助金制度を利用できる場合があります。費用負担を軽減するために、積極的に活用しましょう。

国が実施する補助金制度

2025年現在、お風呂リフォームで利用できる可能性が高い国の制度は以下の通りです。

  • 子育てエコホーム支援事業
    子育て世帯・若者夫婦世帯を対象に、省エネ改修などに対して補助金が交付されます。お風呂リフォームでは、高断熱浴槽、節湯水栓、浴室乾燥機の設置、バリアフリー改修などが対象となります。
    (参考:子育てエコホーム支援事業【公式】 https://kosodate-ecohome.mlit.go.jp/
  • 介護保険
    要支援・要介護認定を受けている方が、手すりの設置や段差の解消といったバリアフリーリフォームを行う場合に、費用の**最大9割(上限18万円)**が支給されます。

自治体独自の補助金制度の探し方

お住まいの市区町村が、独自のリフォーム補助金制度を実施している場合があります。「(お住まいの市区町村名) 浴室リフォーム 補助金」などのキーワードで検索してみましょう。また、以下のサイトで全国の制度を検索できます。

補助金申請の対象工事と手続きの流れ

補助金を利用するには、原則として工事の契約・着工前に申請が必要です。また、多くの制度には予算があり、上限に達すると受付が終了してしまうため、早めに情報を集めて準備を進めましょう。 手続きが複雑な場合もありますが、リフォーム会社が申請をサポートしてくれることが多いので、まずは相談してみることをおすすめします。

まとめ

お風呂リフォームは、決して安い買い物ではありません。しかし、毎日使う場所だからこそ、快適で機能的な空間に生まれ変わったときの満足度は非常に高いものです。
この記事で解説したポイントをまとめます。

  • 費用相場: ユニットバス交換の相場は80万円~160万円。価格帯によって機能やデザインの選択肢が変わる。
  • メーカー選び: 保温性のクリナップ、清潔性のTOTO、デザインのLIXIL、耐久性のタカラスタンダードなど、各社の特徴を比較して選ぶ。
  • マンションの注意点: 管理規約の確認が最優先。搬入経路や近隣への配慮も忘れずに。
  • 費用を抑えるコツ: 複数社からの相見積もりが基本。補助金の活用も検討する。

お風呂リフォームの成功の鍵は、事前の情報収集と、信頼できるリフォーム会社との出会いです。まずはこの記事を参考に、あなたの理想のバスルームをイメージすることから始めてみてください。そして、気になるリフォーム会社をいくつか見つけて、気軽に相談してみましょう。あなたのバスタイムが、もっと豊かで快適なものになることを願っています。

投稿日|2025.11.10 お役立ちコラム