長年住み慣れた我が家も、年月とともにキッチンやお風呂、トイレなどの水回り設備が古くなってきますよね。「掃除が大変になってきた」「最新の機能で快適に暮らしたい」「どうせならまとめてリフォームしたいけど、費用はいくらかかるんだろう?」そんなお悩みや疑問をお持ちではないでしょうか。
水回りリフォームは、暮らしの質を大きく向上させる一方で、決して安い買い物ではありません。だからこそ、費用相場や工事内容をしっかり理解し、計画的に進めることが大切です。
この記事では、リフォーム初心者の方でも安心して計画を進められるよう、水回りリフォームの費用相場をセットプラン別・場所別に徹底解説します。さらに、費用を賢く抑えるコツや補助金制度、信頼できるリフォーム会社の選び方まで、後悔しないために知っておくべき情報を網羅的にお届けします。
セットプラン別の水回りリフォーム費用相場
水回りリフォームを検討する際、複数の箇所をまとめて工事する「セットプラン」は、費用と工期の両面でメリットが大きいため非常に人気があります。ここでは、代表的なセットプランの費用相場を見ていきましょう。
4点セット(風呂・キッチン・トイレ・洗面所)の費用
水回りを全面的に一新する4点セットは、最も大規模なリフォームです。費用相場は250万円~400万円程度が目安となりますが、選ぶ設備のグレードや工事の規模によって大きく変動します。
メリット
- 別々に工事するよりトータルの費用を抑えられることが多い。
- 工事が一度で済むため、生活への影響を最小限にできる。
- 内装デザインに統一感を出しやすい。
価格を左右するポイント
- システムキッチンやユニットバスのグレード
- 間取りの変更や配管工事の有無
住まいの快適性を根本から見直したい方におすすめのプランです。
3点セット(風呂・トイレ・洗面所)の費用
キッチンはまだ使えるけれど、浴室やトイレの老朽化が気になるという場合に選ばれるのが3点セットです。費用相場は150万円~250万円程度が一般的です。特に、隣接していることの多い浴室と洗面所、トイレを同時にリフォームすることで、効率的に工事を進められます。
こんな方におすすめ
- キッチン以外の水回りをまとめてきれいにしたい。
- 予算を抑えつつ、生活の利便性を高めたい。
2点セット(風呂・洗面所など)の費用
特に傷みが気になる2箇所をピンポイントでリフォームするプランです。組み合わせは自由ですが、「浴室+洗面所」や「トイレ+洗面所」などが人気です。 費用相場は50万円~150万円程度と、組み合わせによって幅があります。
組み合わせ例と費用目安
- 浴室+洗面所: 100万円~200万円
- トイレ+洗面所: 40万円~80万円
- キッチン+浴室: 180万円~300万円
まずは特に不満の大きい場所から手を入れたい、という場合に最適なプランです。
場所別の水回りリフォーム費用相場と工事内容
次に、それぞれの場所を個別にリフォームする場合の費用相場と、主な工事内容、工期の目安を見ていきましょう。
キッチンのリフォーム費用
キッチンのリフォームは、選ぶキッチンの種類やレイアウト変更の有無で費用が大きく変わります。費用相場は80万円~150万円が中心です。
主な工事内容
- システムキッチンの交換
- 壁紙(クロス)や床材の張り替え
- 食器棚やカップボードの設置
工期の目安
- 2日~1週間程度(レイアウト変更がない場合)
価格帯による違い
- 80万円~: 壁付けI型キッチンなど、シンプルな機能の製品への交換。
- 120万円~: 対面式キッチンへの変更や、食洗機付きなど機能が充実したミドルグレードの製品が選べます。
- 150万円~: L型やアイランドキッチンへの変更、オーダーメイドなど、こだわりのキッチンが実現可能です。
浴室・お風呂のリフォーム費用
一日の疲れを癒す浴室は、快適性を重視したい場所です。費用相場は80万円~150万円が一般的です。特に、古い在来工法の浴室からユニットバスへの交換は、断熱性や清掃性が格段に向上するため人気があります。
主な工事内容
- ユニットバスの交換
- 在来工法の浴室からユニットバスへの変更
- 給湯器の交換
工期の目安
- 2日~1週間程度
価格帯による違い
- 80万円~: シンプルな機能のユニットバスへの交換。
- 130万円~: 浴室暖房乾燥機やミストサウナなど、機能が充実したミドルグレードの製品が選べます。
- 200万円~: サイズアップやデザイン性の高いハイグレードな製品、肩湯やジェットバスなどの機能を追加できます。
トイレのリフォーム費用
トイレは水回りの中でも比較的費用を抑えてリフォームできる場所です。費用相場は20万円~50万円ほどです。
主な工事内容
- 便器・便座(ウォシュレット)の交換
- 壁紙や床材の張り替え
- 手洗器の設置や収納の増設
工期の目安
- 半日~2日程度
価格帯による違い
- 20万円~: 節水タイプの基本的な機能を持つ便器への交換。
- 30万円~: タンクレス風トイレや、自動開閉・自動洗浄機能付きの製品が選べます。
- 40万円~: 人気のタンクレストイレへの交換や、手洗器の新設、内装デザインにこだわったリフォームが可能です。
洗面所のリフォーム費用
洗面所は、洗面化粧台の交換がメイン工事となります。費用相場は20万円~50万円が目安です。
主な工事内容
- 洗面化粧台の交換
- 壁紙や床材の張り替え
- 収納棚の設置
工期の目安
- 半日~2日程度
価格帯による違い
- 25万円~: 間口が75cm程度の基本的な洗面化粧台への交換。
- 35万円~: 収納力の高い三面鏡タイプや、デザイン性の高い製品が選べます。
- 45万円~: 間口の広い洗面台や、2ボウルタイプ、造作洗面台なども検討できます。
戸建て・マンション別の費用と注意点
水回りリフォームは、お住まいが戸建てかマンションかによって、費用や工事の進め方に違いがあります。
戸建てリフォームの費用と特徴
戸建てはマンションに比べて構造上の制約が少なく、自由度の高いリフォームが可能なのが特徴です。
特徴
- 水回り設備の移動や間取り変更が比較的容易。
- 窓の設置や増築など、大規模な工事も検討できる。
注意点
- 建物の構造(木造、鉄骨など)や築年数によっては、土台や柱の補強が必要になり、追加費用が発生することがある。
- 給排水管の老朽化が進んでいる場合、交換費用が別途かかる可能性がある。
マンションリフォームの費用と制約
マンションのリフォームでは、管理規約の確認が最も重要です。
制約
- 管理規約による制限: 水回り設備の移動が禁止されていたり、使用できる床材に規定(遮音等級など)があったりします。
- 共用部分の工事不可: 玄関ドアや窓、バルコニーなど、共用部分に手を入れることはできません。
- 工事時間の制限: 平日の日中のみなど、工事ができる曜日や時間が限られている場合が多いです。
注意点
- リフォームを始める前に、必ず管理組合に申請し、許可を得る必要があります。
- マンションリフォームの実績が豊富な業者に依頼すると、規約の確認や申請手続きもスムーズに進みます。
費用を安く抑える方法と補助金制度
少しでも費用を抑えて、賢くリフォームを実現したいですよね。ここでは、誰でも実践できる3つの方法をご紹介します。
国や自治体の補助金・助成金を活用する
リフォームの内容によっては、国や自治体から補助金が受けられる場合があります。
国の主な制度
- 子育てグリーン住宅支援事業: 省エネ改修やバリアフリー改修などを行う場合に補助が受けられます。
(※制度内容は変更される可能性があるため、最新情報をご確認ください) - 介護保険の住宅改修: 要支援・要介護認定を受けている方が、手すりの設置や段差解消などのバリアフリー工事を行う場合に、最大20万円まで費用の補助が受けられます。
自治体の制度
- お住まいの市区町村が独自にリフォーム助成制度を設けている場合があります。
注意点
- 申請には条件があり、予算の上限に達すると終了してしまいます。リフォームを計画し始めたら、早めに情報収集を始めましょう。
- 多くのリフォーム会社は補助金申請のサポートも行っていますので、相談してみるのがおすすめです。
(参考:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト - 住宅リフォーム推進協議会)
設備のグレードや機能を最適化する
最新の設備は魅力的ですが、多機能なものほど高価になります。本当に必要な機能を見極めることが、コストダウンの最大の鍵です。
- オーバースペックな機能は選ばない。
- メーカーやシリーズにこだわりすぎず、コストパフォーマンスの良い製品を検討する。
- ショールームで実際に製品を見て、自分たちの暮らしに合ったものを選ぶ。
複数社から相見積もりを取る
リフォーム会社によって、得意な工事や提案内容、そして見積もり金額は異なります。適正な価格と信頼できる業者を見極めるために、最低でも3社から相見積もりを取りましょう。
価格の安さだけで決めるのではなく、提案内容や担当者の対応、保証内容などを総合的に比較検討することが、後悔しないリフォームにつながります。
失敗しないリフォーム会社の選び方と流れ
リフォームの成功は、パートナーとなる会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。
信頼できる業者の5つの特徴
以下のポイントをチェックして、安心して任せられる会社を選びましょう。
- 建設業許可やリフォーム関連の資格を持っている
税抜500万円以上の工事には「建設業許可」が必要です。リフォーム関連の資格(建築士、施工管理技士など)を持つスタッフがいるかも確認しましょう。 - 施工実績が豊富で、事例を公開している
公式サイトなどで、自分たちがやりたいリフォームに近い施工事例が豊富にあるかを確認します。ビフォーアフターの写真や費用が明記されていると参考になります。 - 見積書の内訳が詳細で分かりやすい
「一式」という大雑把な表記ばかりでなく、工事内容や製品名、数量、単価などが細かく記載されているかチェックしましょう。 - 担当者の対応が丁寧で、質問に的確に答えてくれる
こちらの要望を親身に聞いてくれるか、専門的な内容も分かりやすく説明してくれるかなど、コミュニケーションの取りやすさも重要な判断基準です。 - 保証やアフターサービスが充実している
工事後の保証期間や内容、定期点検の有無などを契約前に必ず確認しておきましょう。
見積書のチェックポイント
複数社から見積もりを取ったら、以下の点に注意して比較検討しましょう。
- 「一式」表記が多くないか?
内訳が不明瞭な場合は、詳細な説明を求めましょう。 - 使用する製品のメーカー名や型番が明記されているか?
希望した製品と違うものが使われないように、必ず確認します。 - 諸経費(現場管理費、廃材処分費など)が含まれているか?
追加費用の発生を防ぐため、見積もりに含まれる項目を確認します。 - 工事の範囲が明確か?
どこからどこまでが工事の対象なのか、書面でしっかり確認しましょう。
相談から工事完了までの流れと期間
リフォームは、一般的に以下の流れで進みます。全体の期間は、工事の規模にもよりますが、相談から完了まで1ヶ月~3ヶ月程度を見ておくと良いでしょう。
- 情報収集・相談: インターネットや雑誌で情報を集め、リフォーム会社に相談します。
- 現地調査・プランニング: 担当者が自宅を訪問し、状況を確認。要望をヒアリングし、具体的なプランを作成します。
- 見積もり・契約: プランに基づいた見積書が提出されます。内容に納得できたら契約を結びます。
- 着工・工事: 近隣への挨拶を済ませ、工事を開始します。
- 完了・引き渡し: 工事完了後、担当者と一緒に仕上がりをチェックし、問題がなければ引き渡しとなります。
まとめ
水回りリフォームは、費用相場を正しく理解し、計画的に進めることが成功への第一歩です。
- セットプランは費用と工期面でお得
- 場所別の費用相場を把握して予算を立てる
- 補助金や相見積もりを活用して費用を抑える
- 信頼できるリフォーム会社を慎重に選ぶ
この記事でお伝えしたポイントを押さえれば、リフォーム初心者の方でもきっと満足のいく水回りリフォームを実現できるはずです。古くなった水回りを一新して、より快適で豊かな毎日を手に入れましょう。
まずは、**「複数のリフォーム会社に相談して、見積もりを取ってみる」**ことから始めてみてはいかがでしょうか。
投稿日|2025.11.13 お役立ちコラム